仙台市宮城野区の燕沢地区交通検討会は18日、会合を開き、定時運行型の乗り合いタクシーを10月から1カ月程度、地区内で試験運行する方針を決めた。7月に全3000世帯にアンケートを行い、利用ニーズや運行ルートの要望などを把握し、具体的な運行計画を策定する。
想定するルートは地図の通り。燕沢コミュニティ・センターを起終点に、市バスが止まる東仙台営業所と鶴ケ谷七丁目を含め、計14カ所に停留所を設置。東仙台営業所先回り、鶴ケ谷七丁目先回りの二つの循環コースを設定する。
10人乗りのワンボックスカーが平日の月、水、金曜の週3回、午前7、8時台~午後3時台に8~10便を運行する。運賃は片道100~300円程度を想定する。
試験運行は、市が創設した地域交通スタート支援事業を活用し、経費の補助を受ける。運賃や地域負担金などの事業収入が、運行経費の2割を超えれば3~6カ月の試験運行、最大1年の実証運行に移行できる。
アンケートは買い物や通院の移動手段、乗り合いタクシーのルート、車両、運賃の要望、利用の可能性を尋ねる。7月中に回収し、結果を踏まえ、8月に運行計画を確定する。運行事業者はタクシー会社3社に見積書の提出を求め、7月のヒアリングを経て決める。
検討会は燕沢学区の6町内会や燕沢地域包括支援センターなどでつくる。同地区は丘陵地にあり、道が狭く急な坂が多いため、路線バスが通れず、公共交通の「空白地」となっている。
大西憲三会長は「運転免許を返納する住民も増えており、移動手段の確保を急ぎたい。課題は多いが、何が何でも成功させるとの信念で臨みたい」と語った。