仙台市青葉区新川の仙台ハイランド遊園地の閉園が明らかになった1日、地元の住民や関係者らは、34年間続いたレジャー施設の廃止に驚くとともに、さみしさをにじませた。
近くに住む無職増山隆三さん(71)は毎年年間パスポートを買い、首都圏から孫が来た際に利用していた。「ことしはパスポートの販売がなかった。いよいよ閉園なのか。孫もきっと寂しがる」と話した。
少子化の進行や異業種との競争にさらされる中、仙台ハイランドは、八木山ベニーランド(仙台市太白区)、リナワールド(上山市)と共同でフリーパス券の販売をするなど連携を取ってきた。
ベニーランドの八木充幸社長は「共同で広告を出したり、スタンプラリーを実施したりして業界を盛り上げようとしてきた。閉園は大変残念」と語った。
仙台ハイランドはまた、ニッカウヰスキー仙台工場や定義如来など仙台市西部の観光ゾーンの一角を担った。仙台観光国際協会の担当者は「市内外の多くの人が親しんできた遊園地。周辺地域を元気にしようと頑張っていたようだが、最近は集客力が落ちていた」と残念がる。
東北で唯一のバンジージャンプも姿を消す。
角田市の主婦(30)は結婚する直前に挑戦し、約30分かけて飛び込んだ。「弱虫な自分を卒業したかった。それがきっかけで、多少のことには動じなくなった。思い出の場所がなくなるのは寂しい」と話した。