<仙台七夕まつり>白と紺の2色、素朴で涼やか 市民有志が100年前を再現

華やかな竹飾りが並ぶ仙台七夕まつりで、白と紺の素朴な吹き流しがひときわ目を引いている。仙台市一番町四丁目商店街に再現された100年近く前の七夕飾りだ。「仙台七夕の原風景を取り戻そう」と、市民有志が制作した。
宮城野区の出版社社長の佐藤正実さん(53)が仙台七夕まつりの本を発行したことがきっかけになった。明治から現在までの変遷を知り、「七夕まつりが形を変え、市民の七夕離れも進んでいる」と感じた。
佐藤さんは、大正末期から昭和初期とみられる仙台七夕の写真を参考に、当時の飾りについて調査。市民参加型の祭りを目指し、3年前から飾り制作のワークショップを始めた。
かつて七夕の趣旨は華美な吹き流しを飾ることではなく、祈りを込めて作ることだった。100年近く前の七夕飾りにはくす玉がなく、涼しげな白や紺の吹き流しが多い。
市民約30人が制作した今年の飾りも、伝統を忠実に再現。佐藤さんは「七夕の雨のジンクスは知っていても、歴史や由来に詳しい仙台市民は多くないはず。もっと親しまれるよう活動を続けたい」と語った。

タイトルとURLをコピーしました