東日本大震災で被災した仙台市若林区井土地区の農家らでつくる井土生産組合が10日、市内の飲食店の協力を得て、特産化を目指す「仙台井土ねぎ」のPRキャンペーンを始める。甘味があり、トロッとした食感が特長のネギをふんだんに使ったオリジナルメニューを各店で提供する。組合は「ファンをもっと増やしたい」と期待を寄せる。
「仙台井土ねぎフェア」と銘打つキャンペーンは、消費拡大を目指す組合が初めて企画。期間は30日までで、市内のラーメン店や居酒屋など14店が参加。各店が井土ねぎを使った新メニューを考案した。
参加が最も多いラーメン店では、千切りや輪切りにした井土ねぎをたっぷり盛り付けた担担麺や五目ラーメンなどを用意。串揚げや豚バラ焼き、油揚げと組み合わせた逸品もある。
仙台井土ねぎは、組合が津波で塩害や湿害を受けた井土地区の農地で2014年度から作付けを始めた。15年度は作付面積7.8ヘクタールで、全農や地元スーパーなどに130トンを出荷。県農林水産物品評会では県知事賞を受賞した。
夏場は涼しい海風が吹き込み、冬場は雪が少ない沿岸部特有の気候がおいしいネギを生むという。鈴木保則組合長は「地元の飲食店で使ってもらい、地元の消費者に食べてほしい」と力を込める。
12月4日に井土地区の六郷ライスセンター周辺で開かれる「ねぎまつり」で、今回のフェア対象商品を飲食したレシートを提示すると先着100人に井土産米1キロをプレゼントする。
連絡先は井土生産組合022(794)7571。