<仙台夜間中学>学び直し生き生き

さまざまな事情で義務教育を修了できなかった人らが学び直す「仙台自主夜間中学」が開校から1周年を迎えた。当初数人だった生徒は20人ほどに増え、10~80歳代が月2回の授業や校外活動に励む。将来的には授業日を増やし、より多くの人の学習ニーズに応えたい考えだ。

開校記念日の18日は、教室としている青葉区の市市民活動サポートセンターで、午後2時に始まった昼間部の授業に生徒15人が集まった。全員が参加する「言葉の時間」で百人一首を鑑賞した後、科目ごとに分かれて授業を受けた。
生徒となるのは、戦争などで義務教育を修了できなかった高齢者や病気や不登校で勉強が遅れている子どもら。公的な卒業資格は得られない。運営団体「仙台に夜間中学をつくり育てる会」の中沢八栄さん(72)=青葉区=は「生徒さんはそれぞれ前進している」と手応えを語る。
小学校の算数から学び直し中学レベルの数学に進んだ人や、英語が分かるようになり街歩きが楽しくなった人がいるといい、同校は充実した再学習の場になっている。
10月には市天文台への遠足もあり、ある生徒は「生まれて初めて学校の遠足に参加した」と喜んだという。
「今後も多くの人に学びの機会を提供したい」と中沢さん。生徒の学習進度に応じた授業をするためにも講師の増員が必要で、ボランティア講師や会場の確保が課題という。育てる会は協力を呼び掛けている。
授業は毎月第1、第3水曜日で、昼(午後2時~)と夜(午後6時~)の2部制。無料で、年齢や学歴は不問。年度途中でも参加できる。連絡先は中沢さん090(7562)3227。

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