仙台市が旧市立病院跡地(若林区)を学校法人東北学院(青葉区)に売却する方針を固めたことが21日、分かった。同法人は東北学院大の教養学部(泉区)と工学部(多賀城市)を跡地に集約し、近接する同大土樋キャンパス(青葉区)と一体的に整備する方針。
東北最大の私立大が仙台市中心部での拠点化を進めることで、市は「学都仙台」の街づくりを深化させたい考えだ。
跡地は約1万7500平方メートル。関係者によると、売却額は44億円。市は同法人と来年1月に売買契約を締結し、3月に所有権を移転する。
売却益は2014年に新築移転した現市立病院(太白区)整備に伴う借入金の返済に充てる。旧病院の解体撤去費用は同法人が負担する。
市立病院は今年10月末、跡地の購入を希望する事業者による利用計画案の受け付けを開始。応募は東北学院を含め数件あった。
今月20日の購入事業者選定委員会で、東北学院を優先交渉者に絞り込んだ。地域のにぎわい創出などの観点が評価されたとみられる。
市は市中心部の広大な敷地という希少性を重視し、公募時に示した審査基準で(1)都市ブランド向上(2)交流促進や子育て支援などの施設機能(3)まちづくりへの貢献-などの評価項目を挙げていた。