仙台市が整備検討中の音楽ホールの在り方を検討する有識者懇話会(会長・本杉省三日大特任教授)は22日、青葉区で会合を開き、立地候補地9カ所のうち、民有地を除く7カ所を明らかにした。立地候補地を検討した専門部会では、青葉区の「西公園(市民図書館跡)」と「錦町公園」を評価する意見が多く、有力な候補地になるとみられる。懇話会が3月末に市に提出する報告書を踏まえ、市が新年度、立地場所を決定する見通し。
候補地は地図の通り。ほかの5カ所はいずれも青葉区で、せんだい青葉山交流広場、青葉山公園、西公園(市民プール跡)、西公園(お花見広場)、勾当台公園(東側)。
会合であった専門部会の報告では表のように、候補地の優劣や順位は付けず、長短を併記した。市民図書館跡は「設計自由度が高い」「西公園の景観と融合すれば、新しいランドマークとなる」と評価する一方、「にぎわいのある場所から若干距離がある」と指摘した。
錦町公園は「にぎわい創出など都心部の厚みが増す」「公演前後の過ごし方、まち回遊の点で優れている」と好意的に捉える半面、「都市計画公園の廃止が前提で広く市民の合意を形成する必要がある」と実現への課題を挙げた。
せんだい青葉山交流広場は「都心部西側の将来像によっては可能性がある」とした。民有地を含む残り6カ所は、建築上の制約やコストなど不確定要素のほか、他目的での利用が既に定着しているなど難点を指摘する意見が多かった。
会合では、委員からは「(人口減少など)縮小社会を迎える中、利便性は非常に重要」「歩道橋を使うなど具体的な動線の検証が必要だ」などの意見が出た。
懇話会は2月4日の最終会合で報告書をまとめる。市は音楽ホールについて2000席程度、建築面積9000~1万1000平方メートルを想定する。