仙台市は新年度の組織改編で「文化観光局」を新設する方針を固めた。交流人口の拡大に関する業務を集約し、人口減少社会への対応を強化する。2020年東京五輪・パラリンピックも見据えて東北各市と連携し、訪日外国人を含む観光客誘致に取り組むなど国際観光都市を目指す。
文化観光局は、東日本大震災からの市復興計画が本年度で終了するのに伴い、3月末に廃止する復興事業局と入れ替わる形となる。(1)文化・スポーツ(2) 観光(3)東北連携-を担当する3部を置く方針。国際交流と文化・スポーツに関する業務を市民局から、観光関連業務を経済局からそれぞれ移管し、 60~70人を配置するとみられる。
市策定の「仙台経済成長デザイン」は17年の年間観光客数を、12年比で500万人増の2300万人とする 目標を掲げており、文化観光局が誘致拡大を担う。仙台が東京五輪・パラリンピックでイタリアの「ホストタウン」に登録されたのを踏まえ、サッカーとバレー ボール両選手団の事前合宿の誘致活動にも当たる。
東北各市との連携では、域外からの観光客取り込みを目指し、旅行商品の開発や教育旅行の需要開拓に協力して取り組む考えだ。
12年度設置の復興事業局は震災直後に発足した震災復興本部を引き継ぎ、被災者の生活支援と住宅再建を集中的に進めた。新年度の震災関連業務は内容に応じて既存部局に割り振る。
市は文化観光局の新設と復興事業局の廃止を盛り込んだ事務分掌条例改正案を、10日開会予定の市議会2月定例会に提出する。