仙台市は30日、市内の中小企業に経験豊富な外部人材を派遣し、新規事業の創出を後押しするプログラムのパートナー3組を発表した。市役所であったキックオフ会議では支援を受ける企業の社長と、派遣される経営コンサルタントらが抱負を語った。
マーケティング会社「エピ&カンパニー」(青葉区)には大手広告代理店「博報堂」元社員の宮川洋氏(68)、老人ホーム紹介会社「KSB」(青葉区)に経営コンサルタントの山田勝俊氏(35)、今野印刷(若林区)に経営コンサルタントの近藤英倫氏(44)をそれぞれ派遣する。
3人は9月から約半年間、支援先の企業に赴き、自身の経験やノウハウを伝えながら、新たな事業やサービスの開発・実現に取り組む。市は派遣終了から2年後の時点で、3社合計の営業利益が6000万円増えていることを目標にする。
エピ社は東北の学生の地元定着のため、学生視点の就職支援サービスの開発を目指す。広告制作やテレビ番組制作に38年間携わった宮川氏の経験を生かし、学生が自分の広告を出せるサイトを作り、地元企業とマッチングを図る新事業を検討する。
宮川氏は「大手の就職支援サービスは、東京や大阪の大企業向けでしかないが、学生の7割は地元就職を希望している」と語り、新事業の可能性を強調した。
エピ社の松橋穂波社長は「3年前に設立した若い企業。新サービスの開発だけでなく、会社全体の経営企画に関してもアドバイスをもらいたい」と期待した。