<仙台東西線>下宿事情変化 学生沿線に関心

大学の新入学シーズンを控え、市外から多くの新入生が集まる仙台市内で、昨年12月に開業した市地下鉄東西線沿線の賃貸住宅物件の注目度が高まっている。 東西線各駅に近い大学が多く、通学が便利になるためだ。八木山動物公園(太白区)エリアの引き合いが目立ち、これまでの下宿事情が一変しそうだ。(報道 部・熊谷吉信)

<キャンパス直結>
東西線では八木山動物公園駅付近に東北工大があり、青葉山、川内両駅(ともに青葉区)は東北大と宮城教育大の最寄り駅になっている。
東北大は宮城県外出身の学生が多く、1人暮らし用のアパートやマンションの需要も大きい。2次試験の前期日程に合わせて2月に開かれた保護者向け物件説明会では、東西線沿線に関心が集まり、「どこが暮らしやすいか」との問い合わせが相次いだという。
同大生協不動産・ガス事業部の小野塚一郎次長は「首都圏の受験生にはキャンパス直結の東西線が魅力的に映るようだ。(書類や面接などによる)AO入試で入学を決めた学生は八木山への関心が高く、合格者の1割が八木山に決めた。これまでにない現象」と話す。
学生向け物件を多く扱う平和住宅情報センター(泉区)によると、八木山地域の家賃は東西線開業前より月5000円程度値上がりしている。同社の奥山裕樹常務は「人気を反映している。東北大の理系キャンパスが隣の青葉山駅近くにあるのも強み」と指摘する。
東北大生を対象にした2013年度の学生生活調査によると、通学手段は自転車が41%で最多。バイク16%、徒歩15%、バス13%などと続き、地下鉄はわずか2%だった。

<乗り放題パスも>
従来、1人暮らしの学生たちは青葉区の川内、八幡、北山地区などに住むケースが多かった。家賃は平均的な1Kの場合、川内で4万~6万円、八幡が4万~7 万円なのに対し、八木山は3万5000~5万円と割安。ただ、学生限定で東西線乗り放題の「学都フリーパス」(1カ月6950円)を購入すると、家賃と合 わせて川内、八幡と同程度の額になる。
市西部の八木山に比べ、東部の引き合いはいまひとつ。東北大の小田中直樹副理事(学生支援担当)は「市中 心部でアルバイトをする場合、バイト先も通学先も住まいも東西線沿線なら便利だと考え、東部に住むケースも出てくるだろう」。平和住宅情報センターの奥山 常務も「都会育ちの新入生なら地下鉄は身近な存在。連坊、薬師堂両駅辺りは人気が出るはず」と予想する。

[メ モ]東北大の2013年度の学生生活調査によると、学部生の居住先はアパートやマンションが76%と大半を占め、実家は14%、学生寮が6%など。通学時間はキャンパスを問わず、いずれも30分以内と近場に住む傾向がうかがえた。

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