仙台市地下鉄東西線の開業後初の平日となった7日の推計利用者について、市交通局は8日、約4万9400人と発表した。通勤通学の利用が本格化したが、1 日8万人とした市の需要予測を約38%下回った。開業日の6日の約10万8900人から半減し、厳しい平日のスタートとなった。
自動改札で乗車した人数を基に推計した。市地下鉄南北線の駅で乗車し東西線駅で降りた人は推計に含まれないという。交通局は「あと1万人は上積みできる」と説明するが、それでも予測には届かない。
駅別の利用者数は表の通り。南北線と接続する仙台(青葉区)が最多だったが1万人に届かなかった。事業所が多く立地する市東部の卸町、六丁の目(若林区)も想定の約半分で、通勤手段として浸透していないことがうかがえる。
東西の起点の八木山動物公園(太白区)、荒井(若林区)と薬師堂(同)の3駅には駅前広場を設置。パーク・アンド・ライドやバスとの乗り継ぎを見込むが、予測に達していない。
一方、いずれも青葉区で、市中心部の青葉通一番町、西部の国際センター、川内の3駅は予測を超えた。買い物客や大学の学生、職員の利用が押し上げたとみられる。
また、通勤通学定期券は7日現在で約1万1000枚が売れた。11月の発売直後は伸び悩んでいたが、今月6、7の両日で約2900枚を販売した。
1日当たりの需要予測は、市が計画当初の1998年、13万2000人と試算。その後13万人(2002年)、11万9000人(03年)と下方修正を繰り返し、東日本大震災後の12年に8万人とした。
市交通局幹部は「平日の初日であり、もう少し推移を見たい。8万人を目指し、新年度を見据えて通勤通学者の利用促進を働き掛けたい」と話す。