藩制時代から「潮除須賀(しおよけすか)松」と呼ばれて親しまれた仙台湾沿岸の松林を取り戻そうと、東日本大震災の津波で被害を受けた宮城県岩沼市の沿岸部で15日、植樹式があった。海岸林再生に取り組む「ゆりりん愛護会」(宮城県名取市)と県緑化推進委員会が主催した。
市民ら約40人が参加。同市寺島川向の約800平方メートルに、県産クロマツの苗約400本を植えた。植樹後は苗の回りに固形肥料を埋め、保湿と雑草よけのための木製チップもまいた。
愛護会の大橋信彦会長は「海岸林は子どもの頃、キノコ採りなどをするかけがえのない遊び場だった。未来の子どもたちに、遊び場をもう一回つくってあげたい」と話した。
植樹式は2012年に始まり、5回目。今回を含め仙台、名取、岩沼の3市に計約6700本を植えた。