仙台市の出版社「荒蝦夷(あらえみし)」とプレスアート、河北新報社の3者でつくる実行委員会が創設した仙台短編文学賞は18日までに公募を締め切り、全国から約600編を集めた。海外からも寄せられ、当初見込みの500編を上回って初回としては上々の応募数を確保した。
事務局のプレスアートに15日深夜に締め切ったメール投稿のほか、同日の消印で郵送された封書が続々届いた。北海道、沖縄県を含む全国から発信され、年齢層も13~88歳と幅広い。
ジャンル不問で東北と何らかの関連がある未発表小説が対象。実行委代表を務める土方正志荒蝦夷代表(54)は「テーマを東日本大震災に限定したわけではないが、やはり震災に触発された作品が多い。書いた人の7年間の思いを真摯(しんし)に受け止めたい」と話した。
実行委事務局長の川元茂プレスアート取締役編集部部長(50)も「被災地で文学賞を立ち上げるわれわれのメッセージが伝わった」と感慨深げに語った。
選考委員は仙台市の作家佐伯一麦さんが務め、結果を2018年3月に発表する。受賞作は河北新報とプレスアートの隔月刊誌「Kappo」、集英社の月刊誌「小説すばる」に掲載される。