<仙台空港民営化>LCC軸に路線を拡充

◎東急グループ提案内容判明

2016年6月末の完全民営化を目指す仙台空港の運営委託をめぐり、優先交 渉権者に選ばれて国土交通省と基本協定を締結した東急グループの提案内容が18日、判明した。格安航空会社(LCC)を軸に路線を拡充。民営化4年後の 20年度の年間旅客数として、14年度比で90万人増の約410万人を目標に掲げた。新規路線の誘致策として、旅客減少時に着陸料の負担を軽減する制度を 全国で初めて導入する。
20年度の旅客数目標の内訳は、国内線が14年度より60万人ほど多い362万人、国際線が約3倍の48万人と設定。民 営化30年後には宮城県が掲げる数値目標(600万人)に近い計550万人の実現を目指す。貨物量は20年度に現在の約2倍の約1万トン、30年後に2万 5000トンを見込んでいる。
路線拡充はLCCを中心に据え、国際線の就航先は香港や上海、台湾など4時間圏内の東アジア地域を想定する。着陸 料と施設利用料などの軽減はオフシーズンの旅客減少時に実施し、航空会社の負担を緩和。通常時期に高い搭乗率を達成した場合にも軽減し、利用拡大の努力を 促す。新規就航時にも割引を行い、航空会社を積極的に呼び込む。
アクセス面では、仙台空港アクセス線の利便性向上のための連携協定をJR東日本と締結済みで、運行本数の充実や沿線の利用促進を図る。
施設投資では、LCCの小型旅客機に対応可能なボーディングブリッジ(搭乗橋)を新たに整備する。ターミナルビルは改装し、東急グループのブランド力を生 かして商業施設としての魅力向上を目指す。駐車場は立体化して収容台数を現行の約1140台から約1600台に拡充する。
東急グループは東急電 鉄、東急不動産、東急エージェンシー、東急建設、東急コミュニティー、前田建設工業、豊田通商の7社で、近く仙台空港の運営に特化した株式会社を設立す る。国交省は12月に空港運営会社に運営権を与えるとともに、具体的な事業内容を定めた実施契約を交わす。16年2月にターミナルビルなどの施設を先行し て民営化させ、6月末に完全民営化する。同省は近く東急グループの提案内容を公表する。

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