仙台空港は1日午前0時、国管理空港では全国で初めて完全民営化された。1957年の開港以来の大改革を担うのは、東急電 鉄などが設立した運営会社「仙台国際空港」(宮城県名取市)。同社は収益増の鍵とみる旅客ターミナルビルの改修工事に今年10月にも着手し、ビル内の快適 性を高めて利用者を増やし、就航路線の拡充を目指す。
改修工事は3年程度かけて順次実施する。まずは玄関口となる1階到着ロビーにカフェを設け、民営化に伴うイメージの変化を打ち出す。
2017年度には2階出発ロビーの物販エリア、保安検査後の搭乗待合室をリニューアル。飲食や物販のテナントを充実させ、収益性の向上を狙う。
「東北のゲートウエー」を掲げ、航空ネットワークの拡大に力を入れる。6月29日には台湾の格安航空会社(LCC)「タイガーエア台湾」の定期便が就航。国内外の都市と仙台を結ぶ現行路線の拡充や新規開拓に取り組む。
事業採算については、18年度の黒字化を見込む。岩井卓也社長は「路線拡充による増収、施設管理などのコスト削減で黒字転換を実現したい」と話す。
仙台国際空港は、東急電鉄、前田建設工業、豊田通商など7社グループが設立した特定目的会社。15年12月に国と実施契約を結び、正式に空港運営会社と なった。今年2月にターミナルビルの運営と物販、航空貨物の取り扱い業務を開始。1日から滑走路維持、着陸料収受などの業務を担う。