<仙台空港>お土産勝負 商談会に応募殺到

7月に完全民営化した仙台空港に、東北の食品加工業者が商品の卸先として熱い視線を送っている。空港内の売店を運営する仙台国際空港(宮城県名取市)は、東北の加工食品の取り扱いを増やす方針を打ち出す。6日からは仙台-台北線の定期便が毎日運航するなど、有力な販路として集客力に期待が高まる。
仙台市で9月23日にあった仙台商工会議所主催の「伊達な商談会」には東北6県の28社が参加。申し込みは64社で定数の2倍を超えた。「漏れた業者には泣く泣く諦めてもらった」(仙台商議所担当者)という人気の要因は、仙台国際空港によるサービス向上の取り組みへの期待感だ。
同社は格安航空会社(LCC)の誘致など空港利用促進策を推進し、来年度は空港ターミナル2階部分で商業スペースを拡大する。
台湾便は6日に台湾の復興(トランスアジア)航空が就航し、エバー航空、LCCのタイガーエア台湾と合わせ、毎日運航が実現する。商談会では台湾人観光客を意識した商品を持ち込む業者が複数いた。
名取市の水産加工業「浜口商店」は台湾で人気の三陸産高級ナマコを出品した。台湾や香港の業者と直接取引してきたが、一般の販路を広げようと参加した。
商談会のブースで浜口元(げん)・専務は「日本人向けではないが、台湾や中国の人には価値ある商品」とアピール。仙台国際空港の免税店担当者は「台湾、中国からの旅行者が増える春節(旧正月)の時期に置けば目玉になる」と前向きだった。
同社の錦戸靖博営業推進部マネージャーは「多くの業者の応募があり、期待の高さを感じている。東北のゲートウエーとして6県の名産品を国内外の利用者に紹介し、復興に寄与していきたい」と話した。

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