仙台空港を運営する仙台国際空港(宮城県名取市)は、国内・国際線の出発ロビーなどがあるターミナルビル2階の大規模リニューアルを計画している。物販、飲食店の充実を図るとともに、旅客がよりスムーズに搭乗できるよう動線を見直す方針で、2021年度の完成を目指す。
改修するのは、2階の出発ロビーや保安検査後の搭乗待合室など。各航空会社のチェックインカウンターから保安検査場を経て搭乗待合室に至る動線も、各社と協議して設計に着手する。
出発階は到着ロビーと比べて旅客の滞留時間が長く、店舗を中心としたリニューアルで利用者の満足度を高める狙いがある。搭乗待合室で買い物が楽しめるようにすることも検討する。
18年度の旅客数は過去最高の361万人。着陸料など航空系収入だけでなく、直営小売店やテナントの増加で非航空系も増収となった。旅客搭乗棟(ピア棟)増築に伴う経費、減価償却費の増加はあったが、経常利益6400万円、当期純利益1億3500万円と2年連続の黒字決算だった。
19年度の目標旅客数は376万人。岩井卓也社長は「民営化から3年で国際線旅客数はほぼ倍の31万人になり、国内線も伸びている。東南アジアの中距離路線の獲得など新規就航、増便を図りたい」と話す。
◎10連休旅客数、前年比24.5%増
仙台国際空港は大型連休期間(4月27日~5月6日)の旅客数(速報値)をまとめた。前例のない10連休とあって、国内線と国際線を合わせた旅客数は13万2609人と前年より24.5%増えた。
国内線は21.9%増の11万9222人、国際線は54.3%増え1万3387人。
国際線はチャーター便が16便運航されたほか、定期便も台北線の増便で座席数が増え、旅客数の大幅増につながった。
仙台国際空港の担当者は「10連休で旅の予定を組みやすく、利用増につながった」と話した。