<仙台空港>民営化 来年7月に延期

国土交通省は2016年3月に予定していた仙台空港の民営化を同年7月に延期するなどスケジュールを変更する方針を固めた。ことし8月に予定していた運営権者の決定も1カ月ほど遅らせる考えで、17日にも発表する。

◎引き継ぎ帰還確保/安保審議も影響

仙台空港は国や地方自治体が管理する空港としては初の民営化となる。国交省は「スケジュールに合わせるよりも事業を確実に成功させたい」との方針から、運営委託先への業務引き継ぎ期間を十分確保することなどが必要と判断した。
運営権者選定に応募したグループとの意見交換に当たる「競争的対話」に時間を要し、選定作業が遅れていることも影響。滑走路の誘導など専門性を持つ公務員を運営会社に出向させる法案は、安全保障関連法案審議の影響を受けてまだ成立していない。
具体的には委託先の決定をことし8月から9月に、契約締結を11月から12月にそれぞれ1カ月遅らせる。仙台空港ビルなど周辺施設の運営は16年2月開始とし、滑走路の維持管理など十分な業務引き継ぎを経て7月に完全民営化を図る。
宮城県は16年3月の民営化を前提に、15年度予算で空港周辺地域の産業集積を想定した土地利用調査費を確保。官民組織は利用促進に向け誘客準備を進める。
また、格安航空会社(LCC)のピーチ・アビエーションが17年夏までに仙台空港を国内第4の拠点空港にし、国内線拡充や国際線の就航を計画している。
仙台空港の運営権者選定には、大手商社など4グループが応募している。

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