<仙台都市圏パーソントリップ調査>「移動は自動車」若年層が減少、高齢層で増加 世代間で差くっきり

仙台市は2017年に県と共同実施した仙台都市圏パーソントリップ調査の結果概要をまとめた。通勤や買い物などの移動に自動車を使う割合は、02年の前回調査より若年層が減少し、高齢層で増えた。若者のライフスタイルの変化を印象付ける一方、公共交通機関に頼らない高齢者の生活実態をうかがわせた。

 仙台市の15~24歳、65~74歳の移動交通手段の変化はグラフの通り。
 15~24歳は、同乗も含めた自動車利用の割合が、02年の25%から17年は19%に減少。バイクも11%から4%に縮小した。これに対し、市地下鉄など鉄道の割合は19%から30%に増えた。
 65~74歳は自動車が45%から58%に伸びた。このうち運転する割合は31%から46%に増加。鉄道はほぼ変化はなかったがバスは11%から4%に減った。同じ傾向は75歳以上にも表れた。
 市全体の自動車利用は平日が47%で、02年から横ばい。市地下鉄東西線の開業もあり、鉄道が10%から13%に増加し、マイカー依存に一定の歯止めが掛かったとみられる。
 だが、休日になると自動車の割合は62%に上昇し、鉄道は8%、バスは2%(平日は4%)に落ち込んだ。公共交通機関の利用は、平日の通勤・通学中心にとどまっている現状を浮き彫りにした。
 自動車を持たない割合は、29歳以下の若者世帯で48%から60%に増えた。全世帯は24%で横ばいで、若者の車離れが顕著だった。マイカーを持たず、カーシェアリング、鉄道やバスを利用する暮らし方が広がる。
 調査は5回目。17年10~11月、仙台都市圏18市町村の10万4500世帯(23万4000人)に調査票を送り、2万4000世帯(5万1000人)が回答した。県と市は詳しい調査結果を5月ごろ公表する。

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