仙台市が検討を進めている音楽ホール建設を後押ししようと、仙台経済同友会が中心となってインターネットで資金を募るクラウドファンディング(CF)に取 り組んでいる。県内にない2000席規模の大ホールは東日本大震災からの復興のシンボルにもなると位置付け、「楽都・仙台」の拠点づくりを呼び掛ける。
インターネットサイトの「ジャパンギビング」で7月中旬に開始。賛同者は8月上旬までに170人を超え、約90万円集まった。経済界が2014年7月創設し、音楽の力による復興センター・東北(仙台市)が管理する音楽ホール建設基金に寄付する。
CFは、歌手のさとう宗幸さんや仙台フィルハーモニー管弦楽団の奏者ら17人がPR大使を務める。2000席規模は著名な楽団が公演を開催しやすく、運営 も安定するという。共に青葉区の東京エレクトロンホール宮城や仙台市民会館の老朽化もあり、新ホールの必要性を訴える。
基金は10億円を目標に掲げ、現在は約1億1300万円。CFに締め切りは設けていない。
仙台経済同友会の川嶋輝彦事務局次長は「整備計画が具体化しない中では企業の寄付は集まりにくい。市民レベルから機運を盛り上げ、心の復興や街の活性化につながる音楽ホールを実現させたい」と話す。