家電量販大手のヨドバシカメラ(東京)が、仙台市宮城野区のJR仙台駅東口の旧店舗跡に建設を計画している店舗兼商業ビル「ヨドバシ仙台第1ビル」について当初計画を変更し、新たにホテルを加えた商業施設として整備を検討していることが7日、分かった。早ければ2019年春にも着工し、21年後半の開業を目指す。ホテルは東急電鉄(同)の子会社東急ホテルズ(同)が運営する予定。
関係者によると、新たな計画では地上20階規模の高層ビルを建設し、敷地内に音楽ホールも併設する。施設全体の延べ床面積は約12万8800平方メートル。計画変更に伴い仙台市による容積率緩和が必要で、市も前向きだという。
低層階はヨドバシの店舗と商業テナント、立体駐車場で構成。高層階には東急ホテルズが運営する「エクセルホテル」が入り、約300の客室を備える計画になっている。
東急ホテルズは青葉区で仙台エクセルホテル東急を運営していたが、10年11月末に撤退。再び仙台でホテル事業を展開するのは、東北でも増加傾向にある訪日外国人旅行者の需要を取り込む狙いがあるとされる。
音楽ホールは約6400平方メートル。JR東日本の仙台駅東口再開発を受け、12年7月に閉館したライブホール「Zepp Sendai(ゼップ仙台)」が再出店する可能性が浮上しているという。
第1ビルの当初計画ではヨドバシの店舗が入る商業ビルと、オフィスビルの2棟を建てることになっていた。16年春開業を予定したが建設工事は行わず、ヨドバシは同年10月、開業時期を18年10月に延期することなどを記した環境影響評価書を市に提出していた。
ヨドバシは河北新報社の取材に「ホテルと一体型の施設を検討しているが、どの社が入るかは白紙の状態だ」と説明。東急ホテルズは「仙台は進出の最優先の候補地だが、具体的には何も決まっていない」と話した。