<仙台PS>試験運転開始 事後報告に不快感

仙台市宮城野区の仙台港で建設が進められていた関西電力系の石炭火力発電所、仙台パワーステーション(PS、東京)は13日、試験運転を12日午後8時に始めたと発表した。同社と公害防止協定を結ぶ宮城県は、試験運転が事後報告されたことに不快感を示した。
同社は当面、ボイラーで重油を燃やし工業用水を蒸発させ、配管を点検。7月下旬に石炭燃料を投入、10月から首都圏向けに売電する見通し。出力は11万2000キロワット。
仙台PS側は「安全を最優先に、環境負荷の低減にも配慮しながら営業運転を目指す」とコメントした。
宮城県によると、仙台PSから試験運転を伝える電話があったのは13日午前9時40分ごろ。県環境対策課は「少なくとも運転開始の前日には連絡を取り合う約束だった」と批判した。
村井嘉浩知事は河北新報社の取材に「企業として胸襟を開き、地域住民の理解を得ながら物事を進めてほしい」と語った。
市民団体「仙台港の石炭火力発電所建設問題を考える会」は13日、県庁で「環境対策が十分なのか確認できず、指導を怠った行政も責任放棄だ」とする抗議声明を発表した。宮城海区漁業調整委員会は14日、県沿岸部で火力発電を計画する仙台PSなど3社に漁場への影響確認を要請する。

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