宮城、山形両県にまたがる仙山圏をモデルに広域連携の在り方を探る仙山カレッジ(河北新報社主催)の第32回フォーラムが24日、仙台市青葉区の河北新報 社ホールであった。「伸ばそう! 外国人誘客-仙山圏から考える東北のインバウンド」をテーマに討論した。約120人が聴講した。
ことし6月に 東北観光推進機構会長に就いた清野智JR東日本会長は講演で、観光振興のポイントとして(1)旅行需要の変化への対応(2)地域全体の競争力向上(3)観 光に従事する人材の育成-を指摘。「人口減による地域経済力の低下を補う、外国人観光客の誘致を進めたい」と強調した。
パネル討論は、カレッジ座長で宮城大事業構想学部の宮原育子教授の進行で仙山圏の課題を話し合った。
トラベル東北の山口ステファン社長は、外国人観光客にアピールするには「選択と集中が必要」と主張。「奥の細道」の整備や馬産地を結ぶ「馬旅」、「景勝地・松島」の国際観光都市化を提唱した。
「発信力の弱さ」を課題に挙げたJTB総合研究所の三ツ橋明子主任研究員は、来年5月に仙台市の秋保地区で開かれる主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)の財務相・中央銀行総裁会議などが「誘客のチャンスになる」と呼び掛けた。
これらの意見を踏まえて東北観光推進機構の紺野純一専務理事は「危機感を持った連携を強化したい」と機構の役割を説明した。