<仙山カレッジ>東北中央道活用策など議論

宮城、山形両県にまたがる仙山圏をモデルに広域連携の在り方を探る仙山カレッジ(河北新報社主催)の第35回フォーラムが3日、米沢市の市勤労者福祉センター「アクティー米沢」であった。「東北中央道で変わる仙山圏 南東北交流圏への展開」をテーマに意見を交わし、約100人が聴講した。
東北中央自動車道建設促進同盟会副会長を務める米沢市の中川勝市長が基調講演。福島大笹生(おおざそう)-米沢北インターチェンジ(IC)間が本年度中に開通することに触れ、「ヒト、モノ、カネ、情報を呼び込む地域になるには、広域連携などの努力が必要だ」と述べた。
パネル討論で、東日本高速道路東北支社総合企画部長の鈴木康夫氏が、2018年度の南陽高畠IC-山形上山IC間の開通で、南東北3県の県庁所在地などをつなぐ高速道ネットワークができると指摘。「東日本の真ん中に人口や産業の集積したエリアが誕生する」と期待を示した。
「伊達家のふるさと たかはた伊達の会」(山形県高畠町)会長の近清剛氏は、南東北に伊達家ゆかりの地が多くあるとして「自治体の枠にとらわれずに歴史や文化の発信力を高めれば、地域圏の新たな価値を生み出せる」と語った。
大平(おおだいら)温泉「滝見屋」(米沢市)若女将(おかみ)の安部里美氏は外国人観光客誘致の現状を紹介。「玄関口の仙台空港と高速道でつながる効果は大きい」と力を込めた。
カレッジ座長で宮城学院女子大現代ビジネス学部長の宮原育子氏は「仙山圏の交流は東北中央道の開通を契機に、横軸中心から循環型に変えていくべきだ」と総括した。

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