仙台、山形両市は2日、仙山圏の活性化を目指す包括的な連携協定を結んだ。防災、観光など多方面で交流を進める内容で、連携分野を限定しない協定は両市とも初めて。事業の具体化に向けて担当部局間で協議を続け、両市の来年度予算編成に反映させる方針。
協定は「それぞれの資源を有効活用しながら両市の持続的な発展を図ること」を目的とし、主な連携分野に「防災」「観光・交流」「ビジネス支援」「交通ネットワーク」を挙げた。協定は1年ごとの自動更新。
具体的な事業案として、山形市のドローン関連企業と、国家戦略特区の指定を受ける仙台市のドローン実験場を結び付けた産業セミナー開催や、JR仙山線を活用した観光交流などが候補に挙がっている。
仙台市役所で同日、締結式があり、奥山恵美子仙台市長と佐藤孝弘山形市長がそれぞれ協定書に署名。握手を交わして、両市の関係強化をアピールした。
奥山氏は「今後どのような成果を上げるか、知恵を絞らなければならない。この協定を機に(両市の)行政事務の一体感、スピード感を上げたい」と述べた。
佐藤氏は「東北全体で人口減少が進む中、仙山圏が交流を活発化し、一つの経済圏として踏ん張ることが東北のためになる。歴史的な第一歩だ」と強調した。
連携協定は昨年10月、同年9月の市長選で初当選した佐藤氏が仙台市役所に奥山氏を訪ねて提案。締結に向け両市が事務レベルでの協議を重ねてきた。