国土交通省が27日公表した2018年1月1日時点の公示地価によると、仙台市と周辺市町村の伸びが継続し、県内他地域との二極化が鮮明になった。東日本大震災の被災地は復興需要がピークを越え、伸び率が縮小したり下落に転じたりする自治体が広がり始めた。
県内の調査地点は都市計画区域のない七ケ宿、色麻両町を除く33市町村の575カ所。県全体の用途別平均価格と平均変動率は表の通り。全用途の平均変動率は14市町村で上昇し、県全体では6年連続のプラス。用途別では住宅地も6年連続、商業地は5年連続で上がった。
前年と比較可能な継続調査地点のうち約7割が上昇した。内訳は住宅地が上昇284カ所、横ばい51カ所、下落76カ所。商業地は上昇98カ所、横ばい15カ所、下落30カ所。工業地は全12カ所のうち11カ所が上昇した。
市町村別に見ると、全用途平均変動率の上昇率が最も大きいのは仙台市の5.7%。富谷市4.4%、名取市3.8%、岩沼市2.5%など仙台市周辺部が続いた。
下落率が最も大きいのは川崎、亘理両町の2.0%。山元町の1.9%、蔵王、加美両町の1.6%が続き、内陸部に加え沿岸被災地の下落傾向が目立ち始めた。気仙沼市はマイナス0.2%、南三陸町もマイナス0.9%となり、震災後初めて下落に転じた。
仙台市内は5区全てで上昇。青葉区7.3%、若林区6.7%、泉区5.2%、太白区4.4%、宮城野区3.5%の順だった。市内の住宅地223カ所の内訳は上昇216カ所、横ばい5カ所、下落2カ所。商業地80カ所は上昇78カ所、横ばい2カ所で、下落はゼロだった。