<公示地価>東西線沿線需要根強く

27日発表された公示地価は、仙台市内の不動産取引が活発に続いていることを色濃く示した。市地下鉄東西線沿線の住宅需要は根強く、中心部には投資資金が流入し勢いは衰えない。専門家は「仙台都市圏の不動産需要が県全体の数字を押し上げている」とみる。
県内の住宅地上昇率の上位10地点のうち、若林区など東西線周辺の7地点が占めた。前年に比べ上げ幅は縮小したが、駅まで徒歩15分圏内を中心に需要が集中する。
鑑定した千葉和俊不動産鑑定士(青葉区)は「物件数が少ないが、宅地を求める人はまだまだいる」と指摘。高値への警戒感が残る反面、2019年10月の消費税率10%引き上げを控え駆け込み需要も想定されるという。
近年、オフィスビルやマンション開発に首都圏の投資マネー流入が顕著だった市中心部の商業地は、新たに地元不動産業者や関西圏のホテル業者、個人投資家らによる引き合いが強まる。
物件の不足感が空室率改善や賃料の高止まりなどにつながり、収益性向上への期待感から投資意欲が拡大した。金融緩和や低金利を背景に、利回りの良い投資先を求める資金が仙台に集まっているとみられる。
ホテル需要も足元で広がる。訪日外国人旅行者(インバウンド)の増加などを見据え、市内ではホテル業者による物件探しが活発だ。千葉氏は「良好な立地環境を求めようとすると、適地を見つけるのは難しくなりつつある」と話した。

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