<内陸地震>山のいで湯「日帰り」で再出発

2008年の岩手・宮城内陸地震で発生した土石流に押し流され、全壊した宮城県栗原市栗駒耕英の温泉旅館「駒の湯温泉」が小規模日帰り温泉として現地で再 建された。1日に営業を再開する。1617年開湯と伝わる歴史ある温泉は、内陸地震発生から7年3カ月を経て新たな一歩を踏み出す。

経営する菅原昭夫さん(60)によると、温泉は男湯と女湯の2棟で、それぞれ木造平屋約15平方メートル。縦2メートル、横1.4メートル、深さ60センチの木の浴槽を備える。源泉掛け流しで、約80メートル離れた泉源から温泉を引く。
お湯は38度ほどで、ほのかな硫黄の香りが温泉気分を高めてくれる。
菅原さんが自ら木材の防腐処理をしたり、建設業者の手伝いをしたりして約1カ月半かけて完成させた。8月下旬の長雨や関東・東北豪雨で作業が滞ったり、浴室の温泉ガス対策に追われるなどのトラブルがあり、当初の計画より3週間ほど遅れての開業となる。
菅原さんは「ようやく気持ちの整理がつき、再スタートを決めた。長いと言えば長い、短いと言えば短い7年だった。浴槽が狭く団体さまだと逆に迷惑を掛けるので、ご理解いただけると助かります」と話す。
営業は午前10時~午後5時で水曜定休。入浴料は中学生以上400円、小学生200円。降雪のため年内は11月3日で営業終了の予定。

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