北海道新幹線開業に合わせ、函館市内を走る市電に仙台市の事業所の車内広告が登場している。アクセスが容易になった道南からの誘客や人材確保が狙い。函館市の担当者は「仙台からの広告はこれまでなかった。まさに新幹線効果」と一層の交流に期待を寄せる。
三井アウトレットパーク仙台港(仙台市宮城野区)は新幹線開業直後の3月下旬から4月上旬にかけ、中づり広告を出した。日本三景・松島に近いことを盛り込むなど、東北で展開する通常の広告とは異なる工夫を凝らした。
担当者は「観光で宮城県内を訪れた時にぜひ立ち寄ってほしい」と期待する。
みやぎ生協は4月中下旬、車内広告で大学生向け採用説明会を告知した。初の試みで、青森市内であった説明会には道南から数人が参加した。担当者は「新幹線に乗れば仙台は近い。多様な人材を確保するためにも、道南の学生が就職先を考える際の選択肢になりたい」と意気込む。
市電事業を担う函館市交通部は「新幹線開業後、仙台をはじめ東北各地からの車内広告への関心が高い」と説明。今後は仙台市内の大学の入学案内などにも期待したいという。