<初売り>体験型福袋が好調 冬物衣料は苦戦

東北の大型店が実施したことしの初売りで、売上高は前年並みか前年を上回るケースが目立った。比較的穏やかな天候に恵まれ、来店客数が増加した。コートなどの冬物衣料は苦戦したが、各店が趣向を凝らした体験型福袋や食品関連は順調な売れ行きを見せた。
仙台市青葉区の3百貨店のうち、藤崎は全体の売上高が前年比15.5%減。昨年は初売りとバーゲンが重なったが、ことしは時期をずらしたため減少した。バーゲンの減少分を見込んだ予想比では1%上回った。
客数は、本館が昨年12月開業の市地下鉄東西線青葉通一番町駅とつながった影響もあって2.4%増。好調な食品や海外ブランド品が婦人服のマイナス分を補った。プロ野球東北楽天の体験型福袋は10組に20倍超の応募があった。
仙台三越は売上高、客数ともに前年並み。福袋の売上高は食品が好調で5%伸びた。仙台うみの杜水族館(宮城野区)の宿泊や、仙台三越1日店長などを体験できる福袋も人気を集めた。同店は「東西線沿線の新しいお客さまが来た」とみる。
さくら野百貨店仙台店は2日の売上高と客数がほぼ前年並み、3日が落ち込んだ。日帰りバスツアーといった企画商品は堅調だったものの、コート、ブーツなど冬物は伸びなかった。
東北の他県の百貨店は、うすい百貨店(郡山市)が売上高3%増、客数7%増。テレビ広告の強化が功を奏した。川徳(盛岡市)は売上高、客数とも前年並み。福袋2万2000個がほぼ完売し、衣料品にも動きがあった。
百貨店以外は、イービーンズ(青葉区)がアニメ、漫画などサブカルチャーを売りにし、前年比3割増と売上高を大きく伸ばした。
イオンは東北の直営42店の売上高が前年比5%増。プロスケーター鈴木明子さんのスケート教室など体験型福袋、掃除機やレンジの生活用品が好調だった。イ オンリテール東北カンパニーの家坂有朋支社長は「(生活用品などは)冬のボーナスが出てもすぐには買わず初売りを待って買う流れになっている」と説明す る。
仙台泉プレミアム・アウトレット(泉区)は、まとめ買いの衣料品やカバンなどの売れ行きが良かった。三井アウトレットパーク仙台港(宮城野区)は近くの水族館との相乗効果で来店客が増加。スポーツ関連の衣料品が好調に推移した。

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