仙台市のビジネス支援拠点「創業スクエア」(若林区)の支援を受けた東北の中小企業の6割が売り上げ増を果たしたことが19日、支援事業の運営を受託する 仙台印刷工業団地協同組合(同)の調査で分かった。新商品開発の販売戦略や包装デザインの考案といった支援が成果につながった形だ。
調査に回答した30社のうち、売上高が増加したのは19社(63.3%)に達した。他は「変わらない」7社(23.3%)、「分からない」4社(13.3%)だった。従業員を新規雇用したのは12社に上り、このうち2社は4人以上を雇った。
支援の総合評価については21社(70.0%)が「満足」と回答した。「やや満足」は8社(26.7%)、「どちらとも言えない」は1社(3.3%)だけだった。
支援を受けた企業のうち押しずし製造販売のエムコーポレーション(若林区)は、高級スーパーに照準を合わせた商品を開発した。板橋一樹取締役は「包装のデ ザインだけをしてもらう予定だったが、小分けにする助言を受け、販路を拡大できた。デザイナーとも付き合いが続き、今は社全体のブランドづくりを検討して いる」と成果を話す。
仙台印刷工業団地協同組合の針生英一代表理事は「東北の中小企業は優れた商品を持っていても、売り方があまり得意ではない。顧客のニーズに合わせ、見栄えの良いデザインに仕立てることで、手にとってもらえる」と強調する。
調査は4~6月、2012年6月から15年3月に支援を受けた宮城県内外の全45社を対象に実施した。回収率は66.7%。