<北海道のオーロラ>原因は2回の磁気嵐 名古屋大など発表

北海道で11年ぶりに観測された今年3月18日のオーロラは、地球の近くで2回続けて磁気嵐が起き、大きな磁気嵐になったことが原因だったと、上出洋介・名古屋大名誉教授らが米地球物理学連合の学術誌に発表した。

【写真】北海道名寄市で国内10年ぶりのオーロラ

 オーロラは太陽から降り注ぐ高エネルギー粒子が地球の大気を光らせる現象。一般に北極や南極付近など緯度の高い地域で観測され、北海道のような低緯度での観測は珍しい。

 低緯度のオーロラは、主に太陽表面の大規模な爆発現象が原因とされてきたが、今回は太陽でそれほど大きな変化はなかった。上出さんらは地球周辺の電流などを分析し、地球周辺の磁気が乱れて起きる磁気嵐の発生状況を調べた。その結果、3月17日にまず小規模な磁気嵐が起き、その回復前に続けて中規模な磁気嵐が発生して大きな磁気嵐に発展していた。

 磁気嵐は通信や人工衛星に悪影響を及ぼす可能性があり、上出さんは「今回の磁気嵐は最近では最大だった。太陽だけでなく、地球近くの状況も考慮して磁気嵐の予測をする必要がある」と指摘する。【西川拓】

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