東日本大震災で被災した宮城県南三陸町で毎月恒例の福興市が30日、同町志津川の仮設魚市場で開かれた。4月水揚げが始まったホヤを題材にした料理が並び、家族連れが列を作った。
町内外の20団体が出店。殻付きのホヤの詰め放題が人気を集めた。昨年の3倍の約1トンを用意したが、2時間ほどで完売した。ホヤのパスタやそうめんなども提供された。
来場した大崎市の会社員佐藤真理さん(40)は「ホヤは海の味が詰まっているところが好き。買ったホヤはまぜご飯にして楽しみたい」と話した。
県産ホヤは東京電力福島第1原発事故に伴い、韓国政府が禁輸措置をとる。県漁協は昨年に続いて過剰分を廃棄処分する方針だ。
山内正文実行委員長(67)は「ホヤが処分されることを心配して買いに来てくれるお客さんもいてありがたい。夏にかけておいしくなるので、今後も積極的に販売したい」と述べた。
福興市は2011年4月に始まり、今回で6年を迎えた。実行委は記念として餅まきをして来場者に感謝を伝えた。