宮城県議会が6月定例会で議員提案を目指す危険ドラッグ規制条例について、超党派議員でつくる作業部会が骨子案をまとめた。危険薬物を、疑いを含め広く「知事指定薬物」と定め、規制対象とする。店舗での流通を防ぐ観点から不動産業者の努力規定も盛り込んだ。
8~9月の施行を予定し、成立すれば東北初の危険ドラッグ規制条例となる。
「県薬物の乱用の防止に関する条例」骨子案によると、大麻や覚せい剤に加え、国の指定薬物と同様に中枢神経の興奮を引き起こし、心身に害が及ぶ恐れがある物質を知事指定薬物に定めることができる。
知事指定薬物は製造や販売、購入、使用場所の提供などを禁じ、製造の疑いがある場所への県や警察の立ち入り検査を認める。違反すれば、2年以下の懲役または100万円以下の罰金を受ける場合がある。
不動産業者や物件所有者には、売買や賃貸の契約時に危険薬物の販売目的などと関連がないかどうか確認を求める。骨子案の原案段階で検討した「知事監視店舗」の規定は、昨年の薬事法改正で規制が強化されたため盛り込まない。
薬物の知事指定は県薬物指定審査会(仮称)で協議。東京、大阪などの規制状況を見ながら速やかな追加指定に努めることとした。
県議会と県は24日~5月22日、県民意見募集(パブリックコメント)を実施。寄せられた意見を踏まえ条例案をまとめる。