昨年10月に始まった自動車の図柄入りナンバープレートで、仙台市などが目指す「仙台」の1年後の申込件数日本一の達成が厳しくなりつつある。交付開始から半年後の3月末時点で、申込件数は全国3位の4330件。1位の「熊本」、2位の「福山」(広島県)はいずれも8000件を超え、大きく水をあけられている。
市は昨年8月、仙台商工会議所など14団体と普及促進協議会を設立。同10月1日の開始から1年後に交付枚数日本一を達成する目標を掲げた。国土交通省は申込件数のみ発表するため、実際は日本一の申込件数を目指している。
市政策調整課によると仙台の申込件数のうち、4分の1の約1000台は市の公用車と市バスが占める。図柄入りの認知度を高めるため市が率先して導入し、事業用車両の件数は全国トップを維持する。
伸び悩むのは一般市民や民間事業者の申し込み。2006年、ご当地ナンバーの仙台が登場し、1年後の普及台数が日本一となった当時と比べると、いまひとつ盛り上がりを欠く。
仙台は七夕まつりの吹き流し、仙台藩祖伊達政宗の騎馬像、伊達家の家紋を配した図柄。日本自動車連盟(JAF)宮城支部の担当者は「『デザインがすてき』と関心を寄せる人は多いが、交付手数料が気になるようで、申し込みに結び付いていない」と話す。
交付手数料は地域ごとに異なり、仙台は軽・普通自動車が7500円、大型車が1万1600円。熊本は8400円、1万2500円、福山は8500~9180円、1万4000円で、いずれも仙台より高い。
8282件の申し込みで全国1位の熊本は、県のPRキャラクター「くまモン」を描いた。8192件の福山はプロ野球広島東洋カープの「カープ坊や」がデザインされ、ファンを中心に当初は申し込みが殺到。一時独走したが、くまモンがツイッターで積極的に発信するなどし、熊本が逆転した。
仙台市政策調整課の大森武宏課長は「1年後の日本一達成は確かにハードルが高いが、あと残り5カ月ある。普及促進協で目標達成への取り組みを考えたい。努力するのみ」と語った。