<国勢調査>人口減の市町村9割超

2015年国勢調査(10月1日実施)の東北6県の速報値が出そろった12日、河北新報社は市町村別の人口の推移をまとめた。東日本大震災で被害が大き かった沿岸部や東京電力福島第1原発事故の避難区域は減少が著しく、被災を免れた地域もほぼ全域で少子高齢化や人口流出が進んだ。

<沿岸地域深刻>
前回(10年)と比べ人口が減ったのは全227市町村の9割超の205市町村。減少率10%以上は58市町村と前回(17町村)を大きく上回り、全体の4分の1を占めた。岩手、宮城、福島の被災3県では32市町村が10%以上減となり、うち18市町村が沿岸部だった。
減少率の最大は原発事故で全住民が避難する福島県富岡、大熊、双葉、浪江4町の100%。全域避難の飯舘、葛尾両村、昨年9月の避難指示解除後も住民の多くが避難する楢葉町と続いた。
福島県以外では、津波で多くの住民が犠牲になり、全域が壊滅的被害を受けた宮城県女川町、南三陸町、山元町、岩手県大槌町の減少が目立つ。残る3県も軒並み人口が減少。秋田県は全市町村がマイナスとなり、青森県は2町以外、山形県は2市以外で減った。

<22市町村で増>
前回より増えたのは22市町村。上位は宮城県大和町、富谷町、大衡村、利府町といった仙台市のベッドタウンで、とりわけ自動車産業集積が進む地域だった。
福島県では、原発避難区域周辺の西郷村やいわき市、相馬市、福島市などで増加した。岩手県ではいずれも内陸の滝沢市、矢巾町、北上市で増えた。

<都市部へ集中>
6県の総人口898万2080のうち、市部は739万510人で82.3%を占めた。市町村合併の影響から初めて8割を超えた前回(80.4%)をさらに 上回り、町村部から市部への集中が進んだ。県別の市部の割合は青森77.5%、岩手82.4%、秋田90.5%、宮城82.4%、山形79.8%、福島 82.5%。
市部で増加率が高いのは名取、仙台、滝沢など。減少率が最も大きいのは南相馬で、陸前高田(15.2%)、男鹿(12.1%)、気仙沼(11.7%)と続いた。

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<国勢調査>東北人口900万人割れ

 東北6県の2015年国勢調査(10月1日現在)の速報値が12日、出そろった。東北の総人口は898万2080人で、 東日本大震災の前年の10年に行われた前回に比べ35万3556人(3.8%)減少し、戦後第2回の1950年から維持してきた900万人台を割り込ん だ。前回比マイナスは4回連続、減少率は過去最大となった。
東北の人口推移はグラフの通り。1920年の第1回が579万3974人で、55年まで増加した。60~70年にいったん減少したが、ピークとなる95年の983万4124人まで増え続け、00年から再び減少に転じた。
6県の15年人口は表の通り。10年からの減少率は秋田(5.8%)福島(5.7%)青森(4.7%)宮城(0.6%)の4県で過去最大。山形(3.9%)は横ばい、岩手(3.8%)はやや縮小した。
減少数が最も大きいのは福島の11万5458人。青森6万4690人、秋田6万3158人、岩手5万333人、山形4万5967人、宮城1万3950人と続いた。
市町村別では計227市町村の約90%に当たる205市町村で減少し、増加は22市町村のみ。22市町村を県別にみると、青森2(六戸町、おいらせ町)、 岩手3(北上市、滝沢市、矢巾町)、宮城9(仙台市、名取市、岩沼市、大河原町、柴田町、利府町、大和町、富谷町、大衡村)、山形2(東根市、天童市)、 福島6(福島市、いわき市、相馬市、大玉村、三春町、西郷村)。秋田はなかった。
県庁所在地は、3.5%増の仙台市と0.6%増の福島市を除く4市で減少した。減少率は青森4.0%、秋田2.5%、山形0.7%、盛岡0.2%。
国立社会保障・人口問題研究所が13年にまとめた東北の15年推計人口は892万9372人。今回の速報値は推計を5万2708人上回った。東北の世帯数は346万6549。前回に比べ6万7830世帯(2.0%)増えた。

 

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