高齢化率が47%を超える過疎地の宮城県栗原市花山地区で本年度、人口減少が著しい地域に他自治体から移り住んで活性化を担う「地域おこし協力隊員」が初の2人態勢となった。これまでマンパワーを割けなかった高齢者の生活相談や集落のPRなどを担う。2人は「地域の課題発掘と魅力発信に貢献する」と意気込む。
花山地区で町おこしに奔走しているのは、福島県三春町から転居し昨年6月に隊員になった佐藤真子さん(34)と、栗原市出身で今年5月に東京からUターンした村山喜子さん(34)。
地元有志でつくるまちづくり団体「花山地区『小さな拠点』づくり推進協議会」の募集に応募し採用された。
佐藤さんは、同市の自然公園「栗駒山麓ジオパーク」の情報発信に関わるため地域おこし協力隊員になった夫の充さん(37)ら家族と共に移り住んだ。花山の自然や人情に触れる中で「自分も地域の魅力を発信したい」と手を挙げた。
東京のIT企業に勤めていた村山さんは地元での再就職を検討していた昨年冬、Uターン希望者向けのセミナーで協力隊の存在を知った。「郷里を離れたからこそ見える魅力を発信したい」と、隊員として古里に戻ることを決めた。
業務は住民の悩み事相談や地域イベントのPRなど多岐にわたる。協議会の佐々木徳吉事務局長は「2人とも周囲に慕われる人柄。この調子で地域に解け込み、花山を引っ張っていってほしい」と期待する。
活動2年目となる佐藤さんは「住民の地域愛は本当に強い。その思いをさらに引き出し、活性化に結び付けられれば」、村山さんは「星空の美しさや鳥のさえずりといった都会にない宝が花山にはある。田舎暮らしの良さを掘り下げていきたい」と力を込めた。