東北や関東地方で、最近2年間の地震活動が東日本大震災の発生前と比べて約100倍と活発になっている地域があることが、東北大災害科学国際研究所の遠 田晋次教授(地震地質学)の解析で分かった。遠田教授は「大震災から4年を迎えても影響が長引いている地域がある。活動活発化による巨大地震の発生にも一 層の警戒が必要」と話す。
遠田教授は、大震災2年後の2013年3月11日から今年2月18日までに東日本の地下20キロまでで起きたマグニチュード(M)1以上の地震の発生頻度を、大震災前の10年間と比べた。余震が著しく多かった大震災直後の2年間は除いた。
発生頻度が約100倍となっているのは、福島県・浜通り、千葉県・銚子、岩手県・久慈などの一帯。いずれも以前は地震が比較的少なかった地域だが、大震 災に伴う地殻変動の影響が残っているとみられる。青森県沖から千葉県沖までの大震災の余震域以外の内陸部にも、活動が活発な地域がみられた。
また、首都圏を震源とする「首都直下地震」が懸念される地域は、対象を広げて地下100キロまでで起きた地震を分析。その結果、最近2年間のM3を超える地震の発生頻度は、大震災前の10年間と比べ約2倍と高くなっていた。
新潟県・中越地方などは、大震災前に比べて地震活動が低調だったが、大震災前に発生した内陸地震の余震の減少が原因とみられる。
一方、気象庁は9日、東日本大震災の余震活動状況を発表した。最近1年間(昨年3月11日~今月7日)に余震域で観測した震度1以上の有感地震は737回と、大震災前10年間の年平均306回を大きく上回り、「依然活発な状態」と分析した。【千葉紀和】