<基準地価>仙台駅東口20%近く上昇 再開発加速に期待

 19日発表の基準地価(7月1日現在)で、東北の商業地は再開発が進む仙台市のJR仙台駅周辺の上昇率が際立った。西口と比較して地価が低かった東口で東西自由通路の拡幅などから利便性が高まり、20%近い上昇率を示した。再開発への高い期待値が地価に反映された形だ。
仙台駅東口に位置する宮城野区榴岡1丁目の上昇率は18.3%。昨年3月の東西自由通路拡幅に加え、駅東口構内にはエスパル仙台東館がオープン。今年6月にはホテルメトロポリタン仙台イーストも開業して施設が充実し、回遊性が高まっている。市地下鉄東西線開業も後押しした。
これまで指摘されてきた仙台駅周辺の東西格差は確実に縮まっている。
東口から約40メートルのマンションに住む無職大坂敏明さん(74)は「約35年住んでいるが、街並みがきれいになり高層マンションが増えた。最近は不動産のチラシがたくさん入るようになった」と変化を実感する。
仙台駅東口商工事業協同組合の松坂卓夫理事長(59)は、東京の大手企業も東口の新規出店に意欲を示していると指摘。「東日本大震災の被災地で復興工事が終わり、高騰した建設資材の価格が落ち着けば数軒の商業施設が建つ見込みがある」と明かす。
外資系不動産サービス業CBRE仙台支店の稲毛敦士支店長は「東口は再開発も進み、発展の期待値が高い」と分析。「オフィスビルやホテルが建設される余地がある。今後も地価は上がるだろうが、熱くなり過ぎるのも心配だ」と話した。

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