多摩川河川敷でのバーベキューでごみや騒音への苦情が増加していることから、東京都狛江市は24日、バーベキュー禁止条例を制定すると発表した。28日から開く定例市議会に条例案を提出する。
条例案によると、小田急和泉多摩川駅に近い多摩川河川敷を環境保全区域に指定し、バーベキューと花火を禁止する。来年4月の施行を予定しており、初年度は勧告にとどめるが、13年度以降は勧告に従わなかった場合、2万円以下の過料とする。
対岸の川崎市はバーベキュー対策に取り組んできており、今春から有料化した。この影響もあってか、狛江市側では、昨年9月の連休はバーベキューなどでの河川敷利用者が約8000人だったが、今年のゴールデンウイークは、約1万2000人と激増した。ごみの放置や騒音、悪臭などの迷惑行為に対する周辺住民からの苦情も増えていた。
狛江市は、庁内の検討委員会や市民との討議で対策を検討してきたが、住民の被害を解消するため、条例制定に踏み切った。矢野裕市長は、記者会見で「周辺住民の被害を防ぎ、環境を保全するため、条例制定の手を打たざるを得なかった」と話した。【森下功】