◇文科省「景気回復で採用環境が改善」
今春卒業予定の大学生の就職内定率(昨年12月1日現在)は前年同期比3.7ポイント増の80.3%で、4年連続で上昇したことが20日、文部科学、厚 生労働両省の調査で分かった。この時期で内定率が8割を超えたのはリーマン・ショック(2008年)の影響が出る前の08年同期(80.5%)以来。前年 同期からの伸び率は1996年の調査開始以降最高だった。女子は81.9%で過去最高となった。文科省は「景気回復で採用環境が改善している」と見ている が、依然約8万人の学生が内定を得ていないと推計され、引き続き支援する。
全国の国公私立大から62校の計4770人を抽出し、就職希望者(就職希望率77.7%)に占める内定者の割合を調べた。就職希望率は過去最高だった。
約35万人が内定を得たと推計される。国公立大の内定率は84.5%(前年同期比2.8ポイント増)▽私立大78.9%(同3.9ポイント増)。男女別 では、男子78.9%(同2.7ポイント増)▽女子81.9%(同4.7ポイント増)。女子は国公立大が86.8%、私立大が80.3%でいずれも過去最 高となった。文科省は「女子の就職意欲の高まりと企業の採用環境がマッチした」とみている。
文理別では、文系が79.4%(同4.6ポイント増)、理系は84.%(同0.8ポイント減)。文系は伸び幅が過去最高で、就職状況が大幅に改善しているとみられる。
一方、今春卒業予定の高校生の就職内定率(昨年11月末現在)は84.1%(前年同期比4.9ポイント増)で、5年連続で改善した。【三木陽介】
◇大学生の地域別就職内定率(昨年12月時点)
北海道・東北 78.4%(前年同期比3.6ポイント増)
関東 85.6%( 同2.9ポイント増)
中部 76.1%( 同3.7ポイント増)
近畿 82.3%( 同4.3ポイント増)
中国・四国 70.5%( 同3.8ポイント増)
九州 71.6%( 同4.5ポイント増)