宮城県内の私立大3校の学生約540人を対象に、弁護士らでつくる「みやぎ奨学金問題ネットワーク」が実施したアンケートで、奨学金利用者の9割超が返済 に不安を抱いていることが分かった。ネットワークは給付型奨学金の導入を訴え、21日午後1時半から仙台市青葉区の市市民活動サポートセンターでシンポジ ウムを開く。
実家の経済状況について「あまりゆとりがない」「全然ゆとりがない」と答えたのは、48.6%に当たる261人。奨学金は50.5%(267人)が利用し、「利用していたがやめた」と答えた学生も3人いた。
奨学金の種類は84.6%(263人)が貸与型で、教育ローンなどと併用する学生も。将来の返済を巡っては、貸与型の学生のうち、91.8%(235人)が「心配」「やや心配」と回答した。
奨学金制度について「現行のままで良い」は、全体の21.4%(66人)にとどまり、50.2%(155人)が国や自治体による給付型の創設を要望。学生が卒業後、一定の所得以下だった場合に返済を配慮する制度を求める回答も、28.5%(88人)に上った。
自由記述では「仕事に就けなかった場合の返済が不安」「40歳近くまで返済が続くことへの不安」「勉強の時間を考えるとアルバイトはこれ以上増やせない」「返済が終わってからでないと結婚したくない」などの意見が寄せられた。
ネットワーク共同代表の佐藤滋東北学院大准教授(地方財政論)は「貸与型奨学金制度は将来の借金で、在学中から返済におびえる学生が少なくないことが分かった。給付型奨学金の制度を早期に導入する必要がある」と強調している。
アンケートは佐藤准教授が東北学院大と仙台白百合女子大、宮城学院女子大の3校の学生を対象に昨年11~12月に実施した。