<女性活躍推進>東北800社 公表義務

4月に施行される「女性活躍推進法」に基づき、女性の採用数など数値目標を盛り込んだ行動計画の公表が義務付けられる東北の企業は、約800社に上ること が河北新報社の調べで分かった。各社は4月1日までに行動計画を各県の労働局に届け出る必要があるが、届け出済みは18日現在で岩手の1社のみ。各局は期 限内に届け出るよう呼び掛けを強めている。

<イメージダウン>
従業員301人以上の企業が対象で、県別の内訳は青森、岩手が各約120社、宮城が約230社、秋田が約90社、山形が約100社、福島が約150社となっている。
対象企業は採用者や管理職の女性比率、男女の平均勤続年数の差などを算出し、課題を分析。最低でも1項目について数値目標を設定し、目標を達成するための対策や計画期間を盛り込んだ行動計画をまとめる必要がある。
届け出が進んでいない現状について、山形労働局は「昨年12月に説明会を開いた。具体的に動きだすのはこれからではないか」と説明。1社の届け出があった岩手労働局も「届け出が本格化するのは3月に入ってからではないか」とみる。
届け出なかった場合、罰則はないものの、会社のイメージダウンにつながる恐れもある。仙台市内にある企業の総務部門担当者は「提出期限まで時間が無い。マイナンバー対応もあり、頭が痛い」と打ち明ける。

<個別相談に対応>
各労働局はこれまで説明会やセミナーなどを開き、計画策定を促してきた。
宮城労働局は19日、仙台市青葉区で初の企業向け説明会を開き、担当者が行動計画のまとめ方などを解説した。嶋田悦郎雇用均等室長は「今後は個別の相談に応じるなど、期間内に行動計画を届け出てもらえるよう取り組む」と話した。
一方、計画策定が努力義務にとどめられた従業員300人以下の中小企業の間では関心が高まりつつある。中小企業が計画目標の策定と公表を行い取り組み目標や数値目標を達成した場合、最大60万円の助成金が支給されるためだ。
山形労働局が県内2カ所で開いた説明会には中小企業の参加も目立った。担当者は「上手に助成金制度を活用しようという企業もあるようだ」と歓迎する。

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