ブラックホールから噴出した直後のプラズマ粒子「宇宙ジェット」でできた柱の直径の測定に、国立天文台などの研究チームが世界で初めて成功した。27日付の米科学誌サイエンス(電子版)に発表した。
チームが調べたのは、地球から約5440万光年離れた銀河「おとめ座(M87)」の中心にある宇宙最大級のブラックホール(質量は太陽の約62億倍)。米国のハワイ、アリゾナ、カリフォルニアにある電波を使って天体を画像化する電波望遠鏡を使って宇宙ジェットを測定し、噴出直後にできる宇宙ジェットの柱の直径はブラックホールの半径の約5.5倍と判明した。
本間希樹(まれき)准教授(電波天文学)は「ブラックホール近くの領域の測定成功は初めて。将来のブラックホールの画像化にも期待を持てる成果だ」と話した。今後は南米チリにある、世界最高レベルの解像能力を持つ電波望遠鏡「アルマ」などを使って測定を続ける。【鳥井真平】