宮城県が人気アイドルグループを起用し、第2弾の「ふ湯タビ宮城」を15日にスタートさせた通年観光キャンペーン。9月末で終了した第1弾の「夏タビ宮城」は、沿岸部を中心に一定の効果があった一方、肩透かしを食った地域や施設もあったようだ。
キャンペーンの誘客策の一つがスマートフォンを使ったスタンプラリーだ。皮切りの5月下旬~6月末に実施された気仙沼市や石巻市、南三陸町などの三陸エリアは、県外からの観光客でにぎわった。
南三陸さんさん商店街(南三陸町)の6月の入り込み数は前年同月比で約5000人増えた。商店街の担当者は「例年よりも客入りは明らかに多かった」と効果を実感した様子だ。
県は、夏タビのガイドブックに掲載されたり、スタンプラリーの対象だったりした76施設を対象にアンケートを実施。回答した33施設の入り込み数の合計は前年同期比で約7万8000人(3.4%)増加した。
現場では課題も浮き彫りになった。8月の1カ月間、スタンプラリーの対象となった県南地域の観光施設。家族と共に訪れた埼玉県の50代男性は「1日で角田や蔵王も回らないといけない」と話し、足早に施設を後にした。
日帰りで施設を回る観光客は1カ所の滞在時間が短く、消費などの波及効果は限定的になる。スタートからの時間経過とともに効果が薄らいだのも事実で、同施設の担当者は「県外客は例年より多い印象だが、利用者は少なかった」と寂しげに語った。