<就活>NPO目指す動き活発…狭き門でも「社会貢献を」

 大学生の就職活動で、一般企業ではなく、NPO(非営利組織)やNGO(非政府組織)を目指す動きが活発化している。採用されるのは経験を積んだ社会人が多いが、中には新卒の学生を採ったり、ボランティアを経て採用したりする団体もあり、あえて「狭き門」を目指す学生もいる。「社会貢献」を仕事にする意識の高まりが背景にあるようだ。
 2月下旬、企業ならぬNPOの合同就職説明会が、東京都内の大学ホールで開かれた。国際支援、環境、教育などの分野で活動する26団体が、企業さながらにブースを連ねて働き方などを説明。主催したNPOサポートセンター(東京都)によると、参加者は昨年の350人から480人に増え、3割は大学生だった。
 「多くのNPOは新卒採用をしないと聞く。少ないチャンスにかけるか、ボランティアで入って即戦力扱いにしてもらうか考えています」。そう話したのは4年の女子大生(22)。子供を巡る社会問題に関心があり、大学を休学してインドやカンボジア、タイを半年かけて回った。現地のNPOを訪ね、小学校や孤児院での活動に参加。「子供の問題にNPOで一生携わりたい」と感じるようになった。別の女子大生(21)は「企業の社会貢献は、付属的な印象が強い」。国際協力のNPOで働くことが目標という。
 同センターによると、NPOでは欠員や事業拡大に伴う不定期採用が大半で、知人や職員らを通じて希望者を探すことが多い。専従職員の平均給与月額は6割以上の団体で「15万~30万円未満」。今年の合同説明会では初心者向けの説明時間が初めて設定され、「どのように収入を得ているのか」との質問にスタッフが、人件費に使える助成金を得たり、会員を増やして会費を募ったりするなどと説明した。
 米国では大学生の就職希望ランク上位にNPOが入る。同センターの井沢敏彦さんは「日本でも、NPOという働き方をメーンに考える人が増えている」と話している。【苅田伸宏】

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