8月に大相撲の夏巡業が予定されている山形県南陽市は28日、力士との「ちびっこ相撲」が中止になったと公表した。土俵上の「女人禁制」をめぐり、今後の対応を協議している日本相撲協会に対し、市側は再三にわたって開催を求めたが、協会から「いったん休止したい」との連絡を受けたという。
同市では21年ぶりとなる巡業「大相撲南陽場所」は8月11日に同市民体育館で行われる。今月2日、相撲協会から中止の連絡があり、南陽場所の実行委員長を務める白岩孝夫市長は8日、「ちびっこ相撲は人気があり大いに盛り上がるプログラム」だとして開催を再検討するよう文書で要請。17日には春日野巡業部長(元関脇・栃乃和歌)を訪ねて再度求めたが、覆らなかったという。
同市は約2700席のうち約70席を、ちびっこ相撲に参加する児童と保護者向けに確保し、今月14日から市内8小学校に呼び掛けて募集する予定だったが、取りやめた。現時点で子供向けの代替イベントの開催は決まっておらず、市商工観光課の担当者は「代わりのイベントもないと子供たちの参加は厳しいだろう」と頭を悩ませている。【佐藤良一】