<希望の牧場>汚染牧草 続々と搬入

東京電力福島第1原発事故で汚染された宮城県白石市の牧草を約70キロ離れた「希望の牧場・ふくしま」(福島県浪江町、南相馬市)に運ぶ作業がピークを迎えた。牛の餌として今月末までに約550トンを搬送する予定で、11日は大型トレーラーで15トンが運び込まれた。
放射性物質が国の基準値(1キログラム当たり100ベクレル)を超え、通常の飼料に使えない牧草が白石市にはロール約1100個分あり、畜産農家が仮保管していた。
8000ベクレル以下の牧草について、環境省は各市町村で一般廃棄物と混ぜて焼却処理する方針を示しているが、白石市は「焼却のめどが立たず、これ以上放置もできない」と牧場への提供を決めた。
原発事故で被ばくした牛の殺処分に反対し、328頭を飼育する牧場の代表吉沢正巳さん(61)は「地域で復興の足かせになる汚染牧草の最もいい処理方法」と語る。餌は1日5トンが必要で、越冬用の確保に広く協力を求めている。

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