<常磐線>仙台-東京に直通特急 年度内全線再開

JR東日本は5日、東京電力福島第1原発事故の影響で一部不通が続く常磐線が2020年3月末までに全線再開するのに合わせ、東京都内と仙台駅を直通で結ぶ特急列車を運転すると発表した。上野駅か品川駅と仙台駅の間で運行する方針で、運転本数や名称などは今後決める。
 車両は品川-いわき間を走る特急「ひたち」「ときわ」に使用しているE657系(10両)を現行の17編成から19編成に増やして対応する。
 本年度内の再開が予定されている常磐線富岡(福島県富岡町)-浪江(浪江町)間20.8キロは、東日本大震災と原発事故の影響で不通が続き、被害を受けた岩手、宮城、福島3県の鉄道で最後の不通区間となっている。
 国は帰還困難区域をまたぐ同区間について、来春までに駅周辺の避難指示を先行解除する方針。JR東日本によると、復旧工事は今秋にほぼ終わる見通しで、年内の試運転開始を目指している。
 常磐線は14年6月に広野(福島県広野町)-竜田(楢葉町)間が復旧したのを皮切りに、16年7月に小高(南相馬)-原ノ町(同)間、同12月に相馬(相馬市)-浜吉田(宮城県亘理町)間、17年4月に浪江(福島県浪江町)-小高間、同10月に竜田-富岡(富岡町)間が運行を再開した。
 震災前、上野-仙台間は特急「スーパーひたち」が下りは1日3本、上りは4本運行していた。

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