<平成遣欧使節団>被災を共有 高校生交流

【モデナ(イタリア)水野良将=石巻総局】慶長遣欧使節出帆400年記念事業の一環で、イタリアを訪れている宮城県内の高校生10人ら「平成青少年遣欧使節団」は25日午後(日本時間同)、イタリア北部モデナ県のフィナーレ・エミーリアで現地の高校生らと交流した。

フィナーレ・エミーリアは、東日本大震災後の2012年に発生したイタリア北部地震の被災地。一行は現地の高校を訪れ、震災と地震それぞれの状況などについて意見を交わした。
意見交換には約50人が参加。仙台二華高2年加賀谷萌さん(17)は「震災の復興は道半ば。震災を語り継ぎ、絆を一層強めることが必要」と主張し、仙台三高2年伊藤寛都君(16)は地震の被害を確認した。
地震では27人が死亡し、高校や家屋などに甚大な被害が出た。当時、高校生だったニコル・パンツィーニさんは「修了試験を控え、心配した。耐震設備が整った小学校で受験し、クリアした」と振り返った。
高校で英語を教えるアントネッラ・ポレッティさんは「尊い命が亡くなったことは重い。震災と地震はひどかったが、交流が生まれたことには感謝の気持ちがある」と語った。
使節団の生徒10人は意見交換後、現地の家庭にホームステイし親交を深めた。
一行は26日、慶長使節団も訪れたフィレンツェを見学した。27、28の両日は慶長使節団が400年前に到着したチビタベッキアやローマを訪れる。

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